教官目線でのアラフィフ女性奮闘記・体験談
50歳を間近に、アラフィフ世代を迎えた生徒さんを教えることになり、最初は少し緊張感を覚えました。
なぜなら、中年世代の方は挫折することが多く、途中でいらっしゃらなくなることも多かったからです。
また女性ということもあり、ためらいも覚えました。
が、そこは僕の仕事、自分の教習スキルを上げるためにも、頑張らねばと思いつつ、御対面の日を迎えます。
彼女はまだ1段階で、四輪のコースを練習中とのこと。
本来は、二輪車コースを走っていなければならない時期なのに、かなりレースは遅めで一抹の不安を覚えました。
しかし、彼女としっかりとコミュニケーションをとり、励ましながらやっていくと、改めて決意を強くしたことを覚えています。
2段階終了で挫折気味
アラフィフ世代の女性でしたが、四輪免許を持っていることもあって、学科の方は問題なし。やる気はあり、問題は彼女の自信のなさにありました。
最初は失敗しても、「すいません」と謝っていましたが、そのうち口数も少なくなっていきます。
これじゃいけないと、何度も何度も励ましながら、成功した時には、なるべく大きな声で褒めることにしました。
昔の先輩たちに聞くと、生徒の指導は「叱咤激励」と教え込まれましたが、私は逆にそれを反面教師として、ほめながら長所を伸ばすという方針でした。
1段階を終え、挫折気味だった彼女も慣れてきたのか、時間はかかりましたが、ようやく2段階突破に成功、僕もいい勉強になりましたよ。
卒研は緊張のあまりエンスト
2段階に入り、時間がかかり過ぎ、焦りの気持ちが芽生えたのか、「すいません」を連発するようになりました。
そこで僕は、誤るのはなし ! と彼女に言い聞かせ、実際に自分で走って見せて、何度も何度も挑戦させました。
やはり、経験を積めばやれるもの。時間はかかったものの、ようやく 2段階を終了、卒研を迎えてぼくの方も緊張感は最高潮となります。
結果的に、彼女は4度目の卒検で合格しましたが、それは簡単な道のりではありませんでした。
卒研の場合、違う教官が立ち会うのですが、合格が決まった時の喜びようといったら、半端じゃありませんでした。
僕もうれしくて、ついつい抱きしめてしまいました。
あきらめないことが大切だとわかった
振り返ってみると、今回の教習は、彼女の頑張りがあったからこそと思っています。
彼女も自覚していたことですが、緊張してしまうと、急発進や急ブレーキが増えてしまうのです。
こうした課題に対しては、教習終了後、しっかりとにミーティングすることで、クリアしていきました。特に、卒研での3度の失敗は、彼女自身心を打ちのめされたみたいです。
「もう卒業できない !」と落ち込も彼女に対し、簡単に励ますのではなく、10回挑戦した人もいるんだよと、半分虚偽を混ぜながら、とにかく立ち直らせることに成功。
結果的に、3回目の挑戦は、まるで人が変ったかのように、スムーズな走行で、見ていたこちらが驚いたほどです。